昨年初めて挿し木に挑戦し、
試行錯誤をしながら4回目のトライでやっと発根に成功。
トータル15本の挿し穂のうち、4回目の3本が発根に至ったわけですが、
ルートンの塗り方 や 挿し床との相性 など、
どこにも書かれていなかった致命的な原因 (であろう) を見出だし、
その4回目のチャレンジは「これ以上に打つ手はない」と思えるほど手を施した、いわば
究極の挿し木術
…のつもりでいます🤔
本当にそうなれているのか検証すべく、今年も挿し木にチャレンジすることにしました
🌱🏃♂️💨
時は2023年6月26日。
晴れ 時々 曇り。
挿し木のタイミングとしてはまだ適期の範囲内ですが、
思っていたよりも新枝がだいぶ育っていました。
これが今回の挿し穂として剪定した1年生枝。
すでに緑枝ではなくなっているんですよね…🙄
昨年は、盆栽の枝を太くしていくことは容易でない ことを実感したので
「今年は少し太い枝を」と思い、
前年よりも1ヶ月遅めのこの時期に剪定したところ、挿し穂の表皮が硬くなっていました。
細胞組織を潰してしまわぬよう、カッターナイフで切り口をスパッとカットしたかったのですが、表皮の硬さでスパッといけず…
2、3回カットし直したりと初っぱなからつまずきました💦
大丈夫かなぁ…🙄
次に、どの葉っぱを残すかの選別ですが、
これも昨年の挿し穂とは状況が違いまして、
昨年がこうなら
今年の挿し穂はこれ。
葉の出方が違うんですよね😮
このようになっていない枝を剪定したかったのですが、どの枝もこうなっていたので仕方なくといったところです。
というかこの枝、今年生えた1年生枝なんでしょうか…?
そのつもりで剪定したのですが、こうして改めて見ていると昨年生えた枝のようにも感じます…🤔
しかしそうだとすれば、もっと太くなっているはずで…やはり1年生枝なんでしょうけれど。
いずれにしても前回の状況とは違っていて、果たして 究極の挿し木術 の検証になるのだろうか🙄
緑枝挿しでは基本的に「葉を2枚だけ残す」というのが定番です。光合成をさせたいので葉を残すのですが、多くを残してしまうとそれだけ水分を蒸散させやすくもなってしまうので、根で吸水できない挿し穂にとっては致命的に。
しかしすでに来年用の芽がいくつも付いている枝っぷりということもあり、
今回の挿し穂では葉をどう残しておくか、かなり迷いました。
結果的には4枚を残すことにしましたが、そのかわり残した葉の面積をかなり小さめにカット。
通常は、葉からの水分の蒸散を抑えるために「葉の面積を 1/3~1/4 ほどにカットする」といわれていますが、 今回は 1/5 ほどにより小さくし、残した枚数のぶんだけ帳尻を合わせることにしました(とはいえ勘でしかありませんが…)。
とまぁ、すでにこんな様子で先行き不安なスタートではあるのですが、
これはこれでまた経験になるので前向きにいきます!
ここまでの手順としては、
① 使用する道具をすべて消毒し、すぐに使えるようスタンバイしておく
② 挿し穂を剪定し速やかに持ち帰る
③ 挿し穂を消毒 (付着した雑菌などが挿し床で繁殖するのを防ぐため)
④ 挿し穂の根元を水中 (空気の侵入を避けるため) で✔️型にカット
⑤ 残した葉の面積をカット
②~⑤のこの間、挿し穂から水分が抜けていくので速やかに行います。
そして、
メネデールを含ませた水に挿し、1時間ほど水揚げをします。
もちろん水揚げ中も葉から水分が蒸散してしまうので、それを防ぐために 湿度100% の環境に置きます。
湿度100%の環境下では空気がそれ以上に水分を含くむことができないため、葉から蒸散されなくなります。
根がない挿し穂は水分を摂取することがほとんどできず、穂に蓄えられた水分だけが命の水 となるので、いかに蒸散を防ぐか が成功への鍵。
我が 究極の挿し木術 では、湿度計を設置して湿度100%を徹底的に維持します☝️
今回、葉を多めに残す決断をしたのもこの 湿度100%徹底維持 を約束した上でのことでしたが、だからといって蒸散を防げば葉をどれだけ残しても水分が失われないというわけではなく、
残した葉の光合成によって水分が分解されるので、そういった部分でやはり、葉を多く残していること心配な点ではあります。
水揚げをしている間に挿し床の準備をします。
使用する鉢は前年と同じくペットボトル。
前回は、生えてきた根が水抜き穴を塞いでしまう というちょっとしたトラブルが発生したので、
今回はやや大きめに水抜き穴を開けました👍
土は鹿沼土のみ。
前回購入した鹿沼土の残りがまだまだたくさんあるのですが1年が経過しているので、雑菌だとかカビだとかそういったものが混入している可能性が考えられます。
根が無く組織むき出しの挿し穂にとって 雑菌やカビの繁殖は致命的 なので、新しく購入した鹿沼土を使用します。
あらかじめ充分に灌水しておき、
水揚げを終えた挿し穂の切り口に
ルートンを塗布します。
前回はルートンをパウダー状のまま塗布しましたが、今回は水に溶いて塗布してみることにしました。
ルートンの使用方として大切なこと、それは
『塗り過ぎは致命的⚠️』
我がブログでは絶対に欠かせない言葉です☝️
たくさん塗布してしまうと、ルートンが挿し穂の切り口をベッタリと塞いでしまい、それによって挿し穂が酸欠となって枯れてしまいます (詳しくは コチラ)。
ベッタリとではなく、切り口の組織が見える程度に薄く塗布します。
ルートンを塗布したら、切り口を傷つけないよう挿し床にそっと埋めて、
さらにメネデールを含ませた水をたっぷり与え、
霧吹きで葉水も与え、
そしてまた湿度100%ルームに戻し、
完成です。
今回はサランラップをぐるぐる巻いて囲ったので中の様子が見づらいですが…
前回はプラ板で囲っていました。
あとは、3週間ほど
"生き延びさせる"
これだけです。
挿し木は「発根させる」というよりも『生き延びさせる』という意識でいる方が望ましいように思います。
生き延びた先に発根がありますからね🤔
"生き延びさせるためにはどうしたらいいか"
これに尽きると思います。
蒸散を抑えたり、そのために葉をカットしたり温度や湿度を管理したり、ルートンの塗り過ぎに気を付けたりなどなど。
今年のチャレンジは2本の挿し穂のみです。
桜の挿し木は難易度が高く、発根の確率は低めといわれています。
自分がこれまで拝読させていただいたブログのうち、ベテラン経験者さんでも「20本のうち3本が発根」といった様子だったりするので、2本の挿し穂だけでというのは邪道かもしれません🙄
しかし2本とも発根に至れば、
まさしく 究極の挿し木術 を成し得たといっても過言では…
ない…
気が……?🤔
この先、時期としても緑枝挿しの適期ではなくなるので、今年は最初で最後のチャレンジです。
挿し木の方法はネット上にたくさん紹介されているので、今さらこのブログで詳しく書かなくてもとは思っていますが、
今回の挿し穂が2本とも成功したときには、究極の挿し木術 として改めて段取りや方法をこと細かく書いてみようかなと思います🖋️