さくら挿し木のぼんちゃん ~盆栽道中記~

初めての桜の挿し木に挑戦し、発根を経て、「ぼんちゃん」と名付け、盆栽となるまでの道のりを随時記録。(現在2年目に突入)

休眠挿しから40日が経過

休眠挿し開始から40日、未だに発根の兆しは確認できずです。

開葉のスタンバイをしている新芽の様子からすると、

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挿し穂がダメになっている感はまだないので希望を持ち続けています。

やはり休眠挿しは発根まで日数がかかるようですね、管理はとても楽ですが。緑枝挿しだったらすっかり根が伸びているか、挿し穂が枯れてしまっているかどちらかの頃です。

 

今にも葉が開きそうなほど芽がぶりぶりと太っています。

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ただ、問題はここからですね。

発根よりも先に葉が開きだしてしまうと、エネルギーがそちらに消費されてしまうことになるので発根が厳しくなります💧 優先的に発根にエネルギーを使ってもらいたいところ。

 

🌱「葉を開かせたいけど、あっ、根っこがない!まずは根を出さなきゃ!😯」

 

となってくれればいいんですけどね…

 

🌱「根っこないけど、ま、いっか。葉っぱ開かしちゃえ!」では困ります。

 

こうやってジョーク的に書いていますが、植物ってのは意外とそういったところもちゃんとしているというか、うまくできてるなぁと思わされることも多々あって、

たとえば、1本の枝を切るとそこから2本の新しい枝が生えてくるだとか、障害物があるとそれを避けるように伸びるだとか。賢く生きてます😲

そういったことを思うと「葉を開かせるにはまず発根を」というのもありそうな気がするんですけどね…🤔 葉が先に開いてしまい発根に至らなかったという例もそれなりにあるようなので、そうならないように期待するばかりです🙏

 

挿し木のテクニックの1つとして「水やりを徐々に減らしていく」という方法を見かけます。"挿し穂に水不足の危機感を与えることによって発根を促す" という理屈によるものなのですが、科学的に実証されているかどうかは定かではありません🧐

先述した通り植物は賢く、そして生きようとしているので、それを考えるとこういった方法も「なるほど」と思いはするのですが、水やりを減らしつつ生かすというのは経験豊富な上級者でないとそのさじ加減がなかなか難しい方法のようにも感じます。今の自分の経験値では水やりが足らなさすぎて枯らしてしまいそう💦 せめて「序盤は1日2回の水やりで、中盤頃から1日1回に」程度のことは実戦していますが、それですら不安に思っています😅

 

最後に、

モミジの秋丸くんの様子ですが、

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葉が開き始め賑やかになってきました🌿

しかし、

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片側の枝だけですけどね。

 

どゆこと…?😏

 

東京の今年の桜の開花が遅めのようですね。寒暖差が極端に激しい日々ですし、冬もそれほど厳しい寒さだったとは感じなかったので、休眠打破といったその辺のところが影響しているのかもしれませんね🌸

初代ぼんちゃんとの盆栽道中記(まとめ)

〈初代 さくら挿し木の ぼんちゃん〉

まったく無知だったにもかかわらず「挿し木で桜の盆栽を作ってみよう!」と思い立ち、その春、3度の失敗をしつつ勉強を重ね、湿度管理やルートンの塗り方などを見直し、そして2022年5月12日から4度目の挑戦。

 

途中、これまで使用していたバーミキュライト混合土と挿し穂との相性にも疑念を強く感じ、挿し木の期間中に土替えをするというタブーを決行。
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4度目の挿し木から24日目、ついに発根を確認できた!しかしその根が水捌け穴を塞ぎだしたため、今後の根腐れ等々を懸念し、植え替えをすべきか悩む。

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発根したばかりなので根の損傷や苗へのダメージを回避したい。そのため植え替えを避け鉢のみを替える方法を考える。

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これらのトラブルを乗り越え、新葉がすくすくと開きだす。

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そして初代ぼんちゃんのスタイルが完成🌿

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それぞれの葉っぱの根元に付いていた変なもの、それが 蜜腺 というものだと初めて知り、桜の種類によってその場所が違うことも知り、

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実は夏場にはもうすでに来年の新芽が作られていたことも知った。

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夏の終わり頃、葉っぱに茶色い斑点が現れ葉に穴が開くようになり、感染菌による せん孔褐斑病 というものを知った。

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秋になり、屋外の桜たちがすっかり葉の色を変えた頃、ぼんちゃんはまだまだ緑だった。何をきっかけにして、そしてどういうプロセスで紅葉し落葉していくのかを勉強した。晩秋になってぼんちゃんもやっと黄色の葉に。

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1枚、また1枚と落葉していく。手のひらを広げたような初代ぼんちゃんのあのスタイルも失われていき、

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そしてとうとう冬の姿に。その姿は割り箸と同じサイズだった😁 このときすでに 休眠中 💤
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小さな鉢から一回り大きな鉢に植え替え。根の無かった挿し穂がここまで育ってくれた。

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休眠打破 についてを学び、これまで屋内でLED育ちだったぼんちゃんを冬の屋外の寒さに。

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水は足りているのか… それとも足りていないのか… 葉っぱで様子を伺えないそんな不安な期間が4ヶ月。

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4月7日、世間の桜がすっかり葉桜になろうとしていた頃、遅れ遅れでやっと芽が動きだす✨

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このまままっしぐらに葉を開かせるのかと思いきや、その状態で一旦スタンバイ。

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およそ1週間後、ついに葉が開き出す🌱

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これまでののんびりした動きとはうって変わって、1日1日どんどん大きく。

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しかし、葉っぱの様子がどうもおかしい…

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途中で成長が止まり、貧弱な様子で、そして焼けたような茶色が広がっていく…

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後に続き開いている新葉も同じ症状で、次第に枯れていき…

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もう1つの新芽からは葉が出ることなく…

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「枯れ」を示す幹のシワも表れてしまい…

そして、

 

初代ぼんちゃんとの盆栽道中記が幕を閉じる…😞

 

さまざまなことが初めてばかりで、

そのおかげで、これまで気にもならなかった『桜』のことや植物の生態をたくさん勉強した初代ぼんちゃんとの1年。

 

盆栽屋のオジサン曰く、

「盆栽もいろいろなことを試したり失敗したりして経験を積み重ねてくもんよ」

 

その経験を共にしてくれた初代ぼんちゃんに

 

感 謝 🥺🙏

 

休眠挿しで二代目ぼんちゃんを作る

これまでは緑枝挿しによる挿し木でしか挑戦してきませんでしたが、今回は初めての 休眠挿し でトライです🌱

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基本的な挿し木の方法はどちらも同じなのですが、それでも 時期が違うので挿し穂の状態も違います

 

〈緑枝挿し〉6月頃

・葉がある

・気温が暖かく植物の動きが活発

・カビや雑菌が繁殖しやすい

・開花後であり開葉したばかりで発根のためのエネルギーが不足している可能性

 

〈休眠挿し〉2月頃

・葉がない

・気温が低く動きがまだ鈍い

・春に向けてのエネルギーがしっかり蓄えられている

 

両者のメリット・デメリットについては 前々回の記事 で書きましたが、発根率としては「緑枝挿しの方が高い」というのをよく見かけます。

 

今回は、2本の枝から5本の挿し穂を採りました。

そのうちの3本を鹿沼土の挿し床に。そして発根の見込みが低いであろう枝先 (枝が細いためエネルギーの蓄積が乏しい可能性) の2本は捨ててしまうのも気が引けるので水挿しに。

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この水挿しの子が発根してくれるかどうか…という点はさておき、土に挿すのとは違って発根の様子を伺うことができるので、この子が発根を始めたら他の子たちもそろそろかなという指標にしています。

 

緑枝挿しは葉っぱから水分が蒸散してしまうのでそれをできる限り防ぐ管理が大変ですが、葉がない休眠挿しはそこんところがとても楽です✨

 

挿し木をする前に穂を冷蔵庫に入れ 休眠打破 させる方法がありますが、今回は2月19日に枝を剪定したのですでに休眠から目覚めているだろうと思い冷蔵はしませんでした。12月や1月頃の枝であれば冷蔵した方がいいかもしれません。

 

休眠挿しを開始してちょうど1ヶ月後の様子 (3月19日)

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芽が動き、開葉スタンバイの状態になりました。挿し穂がダメになっていない証✨ 緑枝挿しだったら2週間を生き延びさせるだけでも一苦労なので、これだけでも休眠挿しの方が管理が楽だと言いきれるように思います🤔

 

ただし、まだ発根には至っていません。水挿し君の切り口をじっくり見ても根っこは見られません。

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緑枝挿しでは3週間ほどでしっかり発根していましたが、休眠挿しではやはり遅いようです。

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切り口の周りに カルス (植物の傷口にできる細胞の塊) が出来てきていますね。

この カルスと発根の関係 について前々からいろいろと調べ続けてきましたが、カルス形成の後に発根するという人もいれば、カルスと発根は直接的な関係がないという人もいますし、カルスから発根したという人もいれば、カルスからは発根しないという人もいたりで、個人の知識や大学教授の論文、理化学研究所の発表も含めて様々な考察や意見があり、結局よくわかりません💧

カルスが吸水を手助けしてくれるという話もありますし、増殖し過ぎると発根の妨げになるという話もあります。

 

謎です…🙄

 

ひとまずハッキリと言えることは、

「1ヶ月が経過した今でも挿し穂は生きている」

ということでしょう…🤔 そうでなければ芽の動きやカルス形成はありませんからね。

 

さて、なぜ今になって休眠挿しにトライしたのか、

それはこの記事のタイトルにもあるとおり「2代目 桜挿し木のぼんちゃんを作るため」です。

ここにきてご報告となりますが、悲しくもこのブログの主役であった先代のぼんちゃんが枯れてしまったのです😢

初心者の初めての挿し木であり、初めて発根に至り、そこから初めて夏を越え、秋に初めて落葉を迎え、そして初めての越冬という、盆栽作りにおいて初めて尽くしの1年弱を経験させてくれた初代ぼんちゃんでしたが、次年の葉が開き始めた春、なんらかの原因で上手くいきませんでした。

その後に1度、再び緑枝挿しにトライ したのですが7月に突入した時期で気温も高くなっており、上手く発根させることができず😥 これもまた大きな経験です。

 

このブログの主旨は

『桜の盆栽作りを挿し木から』

『挿し木に成功してから "盆栽" にするまでの過程』

といったその記録を初心者の挑戦として残すためなので、これからも引き続き挑戦と経験をしながらそれを記すべく、そして学びを積み重ねながら桜挿し木の "2代目ぼんちゃん" の誕生を望みたいと思います🙏

 

紅葉と赤松を お迎え🌱

「桜の盆栽を作ってみよう!」と思ったその日から桜一筋で挑戦してきましたが、とうとう桜以外にも手をつけてしまいました😅

 

🍁モミジ と、

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🌲赤松 です。

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以前、このブログで書いた 盆栽屋のオジサン のところで購入。

どちらも3年生だそうです。

 

まずは モミジ 、

 

モミジのミニ盆栽には前々から興味がありましたが、桜と同様に「挿し木で作ってみたい」と思っていたので知識を備えるべく様子見といった状態でした。

 

が、


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この樹形に一目惚れ☺️

前年の落ち葉が残っていましたが、小さくてカワイイ♪
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秋のイメージが強いモミジも、3月頃から緑の葉が出てきます。

 

紅里秋丸 (こうりあきまる)』と命名しました🤗

通称、秋丸くん です♪

 

買ったときからすでに (針金で枝を曲げ樹形を作ること) がつけてある秋丸くん。大きさも含めてこの樹形のままで満足なのですが、強いて言うなら、もう少しだけ太らせた方がもっと良い感じになるであろうと思い、


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しばらくザルで育ててみることにしました。

 

盆栽の成長速度として

1位- 畑

2位- ザル

3位- 大きな鉢

といった順でよく言われています。

 

根の成長を遮るものがなくそして地熱がある は圧倒的に成長しますが、その畑を用意するのは簡単ではありません。そこで ザル の登場です✨

 

ザル植えの場合、伸びた根は網目から出てしまいます。そうなった根は「これ以上に伸ばしても水にありつけない」と判断し伸びが止まります。すると幹元から新たな根が伸び始め、それがまた網目から出て止まり…と、そのように繰り返していくうちに幹元からたくさんの根が生え、必然的に幹が太くなる という仕組みです。

鉢植えの場合は、伸びて鉢の壁に当たった根は方向を変えて伸び続け、鉢の中をぐるぐると巡ります。

 

また、ザルは全体が網目になっているので排水性・通気性がバツグンです。土の乾きが早くなるので水やりの頻度が高くなります。吸水と呼吸のサイクルが増えるので植物の代謝が高くなり、成長を促進させます

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とまあ、ザル植えについて書きましたが自身でやるのは初めてで(笑)、この1年でどのぐらい太ってくれるのか楽しみなモミジの秋丸くんです。

 

そして 赤松

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松といえば盆栽の代表格といったところでしょうが、自分が育ててみるのは「まぁ、いつかそのうち…」程度でいました😅 まずはやっぱり "桜を" だったので。しかしこの赤松にもなんだか一目惚れ。小さな松はそれはそれで可愛いです。

 

そんな程度で買ってきたものですから、この松をこれからどのように育て上げていこうかというのは全く描いていませんでした🙄💦 赤松の生態すらほとんど無知です…。このままでも可愛らしいし、特にアレコレと細工はせず盆栽鉢に移そうかとも思いましたが、さすがにそれでは味気が無さすぎるだろうということで、

 

少しだけでも太らせるべく二回りほど大きい素焼き鉢に移し、そして針金で曲を付けてみました。

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人生で初めての樹形作りですが、どうですかね…?🤔

 

盆栽の 針金掛け も、左巻きか右巻きか、どこを巻くかどのように巻くか、巻かずに掛けるかどの方法を使うかなどなど…、理にかなった技術や方法が様々で奥が深いです。しかし人生初の針金掛け、ひとまず基本的なことと注意すべきことを勉強してのトライ。幹を折ってしまわないかとドキドキしながらなんとか巻き終え、針金を指の腹で少しずつ押しながら曲を付けました。「思ったよりも巻くのが難しかった」というのが感想です😥

 

名前は『ヒョロ松くん(仮)』😅

 

1年以上も前から早々と盆栽鉢を準備してあるのですが、けっきょくまだ誰もそれらの鉢に入らずじまいです。

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来年の今頃、モミジの秋丸くんには入ってもらいたいな~♪

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それにしても、

盆栽には "ジジ臭い" というイメージがありますが、盆栽屋で苗を眺めていると老若男女のけっこうな人数が立ち寄ってくるんですよね。そして近年は世界で盆栽人気が高まっているのだそう。

日本文化の魅力という以前にやっぱり植物の魅力に惹き付けられるのでしょうかね🤗

桜の挿し木、休眠挿しと緑枝挿しのメリット・デメリット

以前までは 緑枝挿し での挑戦をしていましたが、初めて 休眠挿し にトライしています。


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緑枝挿し は、5~6月頃に葉の付いた1年生枝を挿し木するのに対し、休眠挿し は、2月半ば頃の葉の付いていない1年生枝を挿し木するものです。

 

基本的にどちらの方法もやり方は同じで、注意すべき点も

・乾燥させない

・水分を失わせない

・雑菌やカビの侵入に気を付ける

なのですが、葉の有無時期の違い によるメリットとデメリットは個人的にそれぞれあるように思います。

 

緑枝挿し のメリットとしてはまず「植物を育てている感がある🌱」 ではないでしょうかね。

葉が付いているし枝もまだ青々としていて、"緑" に水を与えるというのは気持ち的にも良いものです。

 

その一方で 休眠挿し  の枝にはまだ葉もなく、飾り気のない茶色い枝に水を与え続けることになります。根すら生えていないわけですから、一言で言ってしまえば「毎日、単なる棒に水をやる」という状況です😅 春に開くであろう新芽だけが唯一心の救われるところですね。それでも葉芽は残しても 花芽は摘み取っておかなければなりません。発根のためのエネルギーを開花に使わせないためです😢

 

緑枝挿しの場合、この葉っぱが 挿し穂の状態を示すバロメータ にもなります🌿

挿し木が上手くいっていないときはまず葉が萎えるので一目瞭然ですが、葉がない休眠挿しでは、挿し穂が順調に生き続けているのか、それとも弱ってしまっているのか素人目には判断しづらいです。2~3ヶ月経っても発根しないとき、それは失敗なのかそれとももう少し日数を要するのかその判断に悩むでしょうし、逆に、失敗しているその挿し穂に水を与えてずっと待つという無駄な時間を過ごしてしまうことになるかもしれませんね🤔

 

とはいえ、葉がないことによる休眠挿しのメリット もあります。

それはなんといっても  『挿し穂の水分が比較的に失われにくい』ということ。葉は挿し穂の水分を蒸散させてしまうので、葉がある緑枝挿しでは密閉にして湿度を高く保ったり、葉を1/4ほどにカットしたりなど 水分を失わさせない管理 を徹底する必要があります。一方で休眠挿しでは挿し穂に葉がないのでほとんど蒸散がなく、管理が楽 です☝️

 

また、気温的にも休眠挿しでは 蒸れ の恐れがないでしょう。緑枝挿しでは、葉からの蒸散を防ぐために密閉をして高い湿度を保つ必要がありますが、密閉をすることによって時期的に 蒸れの恐れが生じます。休眠挿しでも挿し穂を乾燥から守るべくペットボトルなどで密閉をするのが好ましいですが、2月といったまだ寒い時期なので蒸れにくいです。

そして、気温が低めというのは 雑菌やカビが繁殖しづらい 時期であり、挿し穂の切り口からそれらが侵入してしまう可能性を抑えられるというメリットでもあります。

 

しかし気温が低いときというのは、挿し穂の動きも鈍いとき です。寒い2月の休眠挿しよりも、20℃前後を推移する6月頃の緑枝挿しの方が発根に至るのが早いです。よく「発根まで1~2ヶ月、遅いときでは3ヶ月」といわれていますが、自己の経験では緑枝挿しで発根に至ったのは挿してから3週間ほどでした🌱

 

これまで緑枝挿しでしか挑戦したことがなかった自分にとっては休眠挿しは 管理がとても楽 に感じています。その代わり、発根に至るまでに要する日数は緑枝挿しよりも長く、結局その分だけ、根がない状態で生きながらえさせなければなりません

 

挿し木で一番重要なことは

『根が無い状態でいかに生かし続けるか』

なので、両者それぞれにメリット・デメリットがあっても結局これに尽きます。緑枝挿しと休眠挿しとでどちらの方が良いかというのは言い難いのかもしれませんね。あえて言うならば、休眠挿し の方が「失敗しても3ヶ月後に緑枝挿しで再チャレンジできる」というチャンスがありますけどね😉

 

まとめ

緑枝挿し】

  〈メリット

  ・緑を育てている感がある

  ・発根に至るまでが早め

  ・葉の様子で挿し穂の状態がわかりやすい

  ・枝が柔らかいので切り口をカットしやすい

   〈デメリット

  ・挿し穂の水分が蒸散しやすい

  ・湿度や温度の管理にかなり気を配る必要がある

 

【休眠刺し】

   〈メリット

   ・湿度や温度の管理が楽

   ・太めの挿し穂を獲られやすい

   ・失敗しても緑枝挿しでのチャンスが残っている

   デメリット

   ・挿し穂の状態が良好かどうかわかりづらい

   ・発根までに日数がかかる

 

 

 

 

 

 

 

 

究極!? 今年も桜の緑枝挿し

昨年初めて挿し木に挑戦し、

試行錯誤をしながら4回目のトライでやっと発根に成功。

 

トータル15本の挿し穂のうち、4回目の3本が発根に至ったわけですが、

 

ルートンの塗り方挿し床との相性 など、

どこにも書かれていなかった致命的な原因 (であろう) を見出だし、

 

その4回目のチャレンジは「これ以上に打つ手はない」と思えるほど手を施した、いわば

 

究極の挿し木術

 

…のつもりでいます🤔

 

本当にそうなれているのか検証すべく、今年も挿し木にチャレンジすることにしました

🌱🏃‍♂️💨

 

 

時は2023年6月26日。

晴れ 時々  曇り。

 

挿し木のタイミングとしてはまだ適期の範囲内ですが、

 

思っていたよりも新枝がだいぶ育っていました。

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これが今回の挿し穂として剪定した1年生枝。

すでに緑枝ではなくなっているんですよね…🙄

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昨年は、盆栽の枝を太くしていくことは容易でない ことを実感したので

 

「今年は少し太い枝を」と思い、

前年よりも1ヶ月遅めのこの時期に剪定したところ、挿し穂の表皮が硬くなっていました。

 

細胞組織を潰してしまわぬよう、カッターナイフで切り口をスパッとカットしたかったのですが、表皮の硬さでスパッといけず…

 

2、3回カットし直したりと初っぱなからつまずきました💦

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大丈夫かなぁ…🙄

 

次に、どの葉っぱを残すかの選別ですが、

 

これも昨年の挿し穂とは状況が違いまして、

 

昨年がこうなら

 

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今年の挿し穂はこれ。


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葉の出方が違うんですよね😮

 

このようになっていない枝を剪定したかったのですが、どの枝もこうなっていたので仕方なくといったところです。

 

というかこの枝、今年生えた1年生枝なんでしょうか…?

そのつもりで剪定したのですが、こうして改めて見ていると昨年生えた枝のようにも感じます…🤔

しかしそうだとすれば、もっと太くなっているはずで…やはり1年生枝なんでしょうけれど。

 

いずれにしても前回の状況とは違っていて、果たして 究極の挿し木術 の検証になるのだろうか🙄

 

緑枝挿しでは基本的に「葉を2枚だけ残す」というのが定番です。光合成をさせたいので葉を残すのですが、多くを残してしまうとそれだけ水分を蒸散させやすくもなってしまうので、根で吸水できない挿し穂にとっては致命的に

 

しかしすでに来年用の芽がいくつも付いている枝っぷりということもあり、

 

今回の挿し穂では葉をどう残しておくか、かなり迷いました。

 

結果的には4枚を残すことにしましたが、そのかわり残した葉の面積をかなり小さめにカット。

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通常は、葉からの水分の蒸散を抑えるために「葉の面積を 1/3~1/4 ほどにカットする」といわれていますが、 今回は 1/5 ほどにより小さくし、残した枚数のぶんだけ帳尻を合わせることにしました(とはいえ勘でしかありませんが…)。

 

とまぁ、すでにこんな様子で先行き不安なスタートではあるのですが、

 

これはこれでまた経験になるので前向きにいきます!

 

ここまでの手順としては、

①  使用する道具をすべて消毒し、すぐに使えるようスタンバイしておく

 

②  挿し穂を剪定し速やかに持ち帰る

 

③   挿し穂を消毒 (付着した雑菌などが挿し床で繁殖するのを防ぐため)

 

④   挿し穂の根元を水中 (空気の侵入を避けるため) で✔️型にカット 

 

⑤  残した葉の面積をカット

 

②~⑤のこの間、挿し穂から水分が抜けていくので速やかに行います。

 

そして、

メネデールを含ませた水に挿し、1時間ほど水揚げをします。


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もちろん水揚げ中も葉から水分が蒸散してしまうので、それを防ぐために 湿度100% の環境に置きます。


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湿度100%の環境下では空気がそれ以上に水分を含くむことができないため、葉から蒸散されなくなります。

 

根がない挿し穂は水分を摂取することがほとんどできず、穂に蓄えられた水分だけが命の水 となるので、いかに蒸散を防ぐか が成功への鍵。

 

我が 究極の挿し木術 では、湿度計を設置して湿度100%を徹底的に維持します☝️

 

今回、葉を多めに残す決断をしたのもこの 湿度100%徹底維持 を約束した上でのことでしたが、だからといって蒸散を防げば葉をどれだけ残しても水分が失われないというわけではなく、

 

残した葉の光合成によって水分が分解されるので、そういった部分でやはり、葉を多く残していること心配な点ではあります。

 

水揚げをしている間に挿し床の準備をします。

使用する鉢は前年と同じくペットボトル。


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前回は、生えてきた根が水抜き穴を塞いでしまう というちょっとしたトラブルが発生したので、

今回はやや大きめに水抜き穴を開けました👍

 

土は鹿沼土のみ。

前回購入した鹿沼土の残りがまだまだたくさんあるのですが1年が経過しているので、雑菌だとかカビだとかそういったものが混入している可能性が考えられます。

 

根が無く組織むき出しの挿し穂にとって 雑菌やカビの繁殖は致命的 なので、新しく購入した鹿沼土を使用します。

 

あらかじめ充分に灌水しておき、

 

水揚げを終えた挿し穂の切り口に

ルートンを塗布します。


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前回はルートンをパウダー状のまま塗布しましたが、今回は水に溶いて塗布してみることにしました。


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ルートンの使用方として大切なこと、それは

 

『塗り過ぎは致命的⚠️』

 

我がブログでは絶対に欠かせない言葉です☝️

たくさん塗布してしまうと、ルートンが挿し穂の切り口をベッタリと塞いでしまい、それによって挿し穂が酸欠となって枯れてしまいます (詳しくは コチラ)。

 

ベッタリとではなく、切り口の組織が見える程度に薄く塗布します。


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ルートンを塗布したら、切り口を傷つけないよう挿し床にそっと埋めて、


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さらにメネデールを含ませた水をたっぷり与え、

霧吹きで葉水も与え、

 

そしてまた湿度100%ルームに戻し、


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完成です。

 

今回はサランラップをぐるぐる巻いて囲ったので中の様子が見づらいですが…

 

前回はプラ板で囲っていました。

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あとは、3週間ほど

"生き延びさせる" 

これだけです。

 

挿し木は「発根させる」というよりも『生き延びさせる』という意識でいる方が望ましいように思います。

 

生き延びた先に発根がありますからね🤔

 

"生き延びさせるためにはどうしたらいいか"

 

これに尽きると思います。

 

蒸散を抑えたり、そのために葉をカットしたり温度や湿度を管理したり、ルートンの塗り過ぎに気を付けたりなどなど。

 

今年のチャレンジは2本の挿し穂のみです。

 

桜の挿し木は難易度が高く、発根の確率は低めといわれています。

自分がこれまで拝読させていただいたブログのうち、ベテラン経験者さんでも「20本のうち3本が発根」といった様子だったりするので、2本の挿し穂だけでというのは邪道かもしれません🙄

 

しかし2本とも発根に至れば、

 

まさしく 究極の挿し木術 を成し得たといっても過言では…

 

ない…

 

気が……?🤔

 

この先、時期としても緑枝挿しの適期ではなくなるので、今年は最初で最後のチャレンジです。

 

挿し木の方法はネット上にたくさん紹介されているので、今さらこのブログで詳しく書かなくてもとは思っていますが、

 

今回の挿し穂が2本とも成功したときには、究極の挿し木術 として改めて段取りや方法をこと細かく書いてみようかなと思います🖋️

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待望の葉っぱたちが

せっかく大本命の芽から葉が生えてきたというのに、

残念ながらこのように…

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そして…


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あぁっ…💦

なんてこったいっ…😱💦

 

前回の記事では

「熱を与え過ぎたことによる葉焼けかも」と推察しましたが、

 

熱を受けていない後から生えた葉についても同じ結果となってしまっており、

 

熱ではなく他に原因があるのではないかとモヤモヤしております😞

 

断言とまではいきませんが、水の与え方からし根腐れによるものとは考えにくく、

 

肥料にしても、むしろ少ない量でしか与えておらず、

 

そうなると、水が足りていなかったのでは?という原因に今はたどり着いています。水が足りなかった経験は コチラの記事 でも自分で書いていたんですけどね…😕💧

 

秋に落葉してから冬場の間、

気温が低くなるので鉢の水の蒸発も遅くなり、それゆえに水やりのタイミングも2~3日に1回程度のペースとなりますが、

 

別の見方をすれば、葉がない植物は光合成をしないので水の吸収も落ち着き、それゆえに水やりの頻度を少なくしても良いということになります。

 

ただ、春になって葉が生え始める頃にその感覚のままでいたということが、もしかすると枯れてしまった原因だったのではないかと🤔

 

春になったからといってそう極端に土が渇きだすというわけではなく、冬場のペースとそれほど変わらない渇き具合でしたので、水やりも冬場の感覚のままでいたのですが、

 

花や葉を開かせるためにたくさんのエネルギーを消費する時期でもある んですよね…。

 

当然のことながら 水もそれだけ必要 となるでしょうから、

 

冬場の感覚のまま土の渇きだけにとらわれて水やりを続けていたことが良くなかったのではないかと。

 

そこを疑わしく思うのは、

 

すでに濃い緑になり蜜腺から蜜まで出していた小さな葉までもが、葉先から枯れ始めているからです。

 

あの頃 に経験した葉先の枯れも水不足によるものでした。

 

大本命の芽から新たな枝が伸びてくれることを待望していましたが、今年は残念な結果となりそうですね…🥺

 

しかし、てっぺんにもう1つ大きな芽が残っています。


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少しずつ動いてはいるものの未だに展葉していませんが…💧

 

こちらの展葉が遅いその原因もまた

「水が足りていなかったので同時に咲かせることができなかった」

と考えると納得ができるようにも思います🤔

 

あくまでも断定はできませんが、今やれることは

「しっかり水やり 」

これに掛けようと思います。