以前までは 緑枝挿し での挑戦をしていましたが、初めて 休眠挿し にトライしています。
緑枝挿し は、5~6月頃に葉の付いた1年生枝を挿し木するのに対し、休眠挿し は、2月半ば頃の葉の付いていない1年生枝を挿し木するものです。
基本的にどちらの方法もやり方は同じで、注意すべき点も
・乾燥させない
・水分を失わせない
・雑菌やカビの侵入に気を付ける
なのですが、葉の有無 と 時期の違い によるメリットとデメリットは個人的にそれぞれあるように思います。
緑枝挿し のメリットとしてはまず「植物を育てている感がある🌱」 ではないでしょうかね。
葉が付いているし枝もまだ青々としていて、"緑" に水を与えるというのは気持ち的にも良いものです。
その一方で 休眠挿し の枝にはまだ葉もなく、飾り気のない茶色い枝に水を与え続けることになります。根すら生えていないわけですから、一言で言ってしまえば「毎日、単なる棒に水をやる」という状況です😅 春に開くであろう新芽だけが唯一心の救われるところですね。それでも葉芽は残しても 花芽は摘み取っておかなければなりません。発根のためのエネルギーを開花に使わせないためです😢
緑枝挿しの場合、この葉っぱが 挿し穂の状態を示すバロメーター にもなります🌿
挿し木が上手くいっていないときはまず葉が萎えるので一目瞭然ですが、葉がない休眠挿しでは、挿し穂が順調に生き続けているのか、それとも弱ってしまっているのか素人目には判断しづらいです。2~3ヶ月経っても発根しないとき、それは失敗なのかそれとももう少し日数を要するのかその判断に悩むでしょうし、逆に、失敗しているその挿し穂に水を与えてずっと待つという無駄な時間を過ごしてしまうことになるかもしれませんね🤔
とはいえ、葉がないことによる休眠挿しのメリット もあります。
それはなんといっても 『挿し穂の水分が比較的に失われにくい』ということ。葉は挿し穂の水分を蒸散させてしまうので、葉がある緑枝挿しでは密閉にして湿度を高く保ったり、葉を1/4ほどにカットしたりなど 水分を失わさせない管理 を徹底する必要があります。一方で休眠挿しでは挿し穂に葉がないのでほとんど蒸散がなく、管理が楽 です☝️
また、気温的にも休眠挿しでは 蒸れ の恐れがないでしょう。緑枝挿しでは、葉からの蒸散を防ぐために密閉をして高い湿度を保つ必要がありますが、密閉をすることによって時期的に 蒸れの恐れが生じます。休眠挿しでも挿し穂を乾燥から守るべくペットボトルなどで密閉をするのが好ましいですが、2月といったまだ寒い時期なので蒸れにくいです。
そして、気温が低めというのは 雑菌やカビが繁殖しづらい 時期であり、挿し穂の切り口からそれらが侵入してしまう可能性を抑えられるというメリットでもあります。
しかし気温が低いときというのは、挿し穂の動きも鈍いとき です。寒い2月の休眠挿しよりも、20℃前後を推移する6月頃の緑枝挿しの方が発根に至るのが早いです。よく「発根まで1~2ヶ月、遅いときでは3ヶ月」といわれていますが、自己の経験では緑枝挿しで発根に至ったのは挿してから3週間ほどでした🌱
これまで緑枝挿しでしか挑戦したことがなかった自分にとっては休眠挿しは 管理がとても楽 に感じています。その代わり、発根に至るまでに要する日数は緑枝挿しよりも長く、結局その分だけ、根がない状態で生きながらえさせなければなりません。
挿し木で一番重要なことは
『根が無い状態でいかに生かし続けるか』
なので、両者それぞれにメリット・デメリットがあっても結局これに尽きます。緑枝挿しと休眠挿しとでどちらの方が良いかというのは言い難いのかもしれませんね。あえて言うならば、休眠挿し の方が「失敗しても3ヶ月後に緑枝挿しで再チャレンジできる」というチャンスがありますけどね😉
まとめ
【緑枝挿し】
〈メリット〉
・緑を育てている感がある
・発根に至るまでが早め
・葉の様子で挿し穂の状態がわかりやすい
・枝が柔らかいので切り口をカットしやすい
〈デメリット〉
・挿し穂の水分が蒸散しやすい
・湿度や温度の管理にかなり気を配る必要がある
【休眠刺し】
〈メリット〉
・湿度や温度の管理が楽
・太めの挿し穂を獲られやすい
・失敗しても緑枝挿しでのチャンスが残っている
〈デメリット〉
・挿し穂の状態が良好かどうかわかりづらい
・発根までに日数がかかる