さくら挿し木のぼんちゃん ~盆栽道中記~

初めての桜の挿し木に挑戦し、発根を経て、「ぼんちゃん」と名付け、盆栽となるまでの道のりを随時記録。(現在2年目に突入)

休眠挿しで二代目ぼんちゃんを作る

これまでは緑枝挿しによる挿し木でしか挑戦してきませんでしたが、今回は初めての 休眠挿し でトライです🌱

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基本的な挿し木の方法はどちらも同じなのですが、それでも 時期が違うので挿し穂の状態も違います

 

〈緑枝挿し〉6月頃

・葉がある

・気温が暖かく植物の動きが活発

・カビや雑菌が繁殖しやすい

・開花後であり開葉したばかりで発根のためのエネルギーが不足している可能性

 

〈休眠挿し〉2月頃

・葉がない

・気温が低く動きがまだ鈍い

・春に向けてのエネルギーがしっかり蓄えられている

 

両者のメリット・デメリットについては 前々回の記事 で書きましたが、発根率としては「緑枝挿しの方が高い」というのをよく見かけます。

 

今回は、2本の枝から5本の挿し穂を採りました。

そのうちの3本を鹿沼土の挿し床に。そして発根の見込みが低いであろう枝先 (枝が細いためエネルギーの蓄積が乏しい可能性) の2本は捨ててしまうのも気が引けるので水挿しに。

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この水挿しの子が発根してくれるかどうか…という点はさておき、土に挿すのとは違って発根の様子を伺うことができるので、この子が発根を始めたら他の子たちもそろそろかなという指標にしています。

 

緑枝挿しは葉っぱから水分が蒸散してしまうのでそれをできる限り防ぐ管理が大変ですが、葉がない休眠挿しはそこんところがとても楽です✨

 

挿し木をする前に穂を冷蔵庫に入れ 休眠打破 させる方法がありますが、今回は2月19日に枝を剪定したのですでに休眠から目覚めているだろうと思い冷蔵はしませんでした。12月や1月頃の枝であれば冷蔵した方がいいかもしれません。

 

休眠挿しを開始してちょうど1ヶ月後の様子 (3月19日)

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芽が動き、開葉スタンバイの状態になりました。挿し穂がダメになっていない証✨ 緑枝挿しだったら2週間を生き延びさせるだけでも一苦労なので、これだけでも休眠挿しの方が管理が楽だと言いきれるように思います🤔

 

ただし、まだ発根には至っていません。水挿し君の切り口をじっくり見ても根っこは見られません。

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緑枝挿しでは3週間ほどでしっかり発根していましたが、休眠挿しではやはり遅いようです。

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切り口の周りに カルス (植物の傷口にできる細胞の塊) が出来てきていますね。

この カルスと発根の関係 について前々からいろいろと調べ続けてきましたが、カルス形成の後に発根するという人もいれば、カルスと発根は直接的な関係がないという人もいますし、カルスから発根したという人もいれば、カルスからは発根しないという人もいたりで、個人の知識や大学教授の論文、理化学研究所の発表も含めて様々な考察や意見があり、結局よくわかりません💧

カルスが吸水を手助けしてくれるという話もありますし、増殖し過ぎると発根の妨げになるという話もあります。

 

謎です…🙄

 

ひとまずハッキリと言えることは、

「1ヶ月が経過した今でも挿し穂は生きている」

ということでしょう…🤔 そうでなければ芽の動きやカルス形成はありませんからね。

 

さて、なぜ今になって休眠挿しにトライしたのか、

それはこの記事のタイトルにもあるとおり「2代目 桜挿し木のぼんちゃんを作るため」です。

ここにきてご報告となりますが、悲しくもこのブログの主役であった先代のぼんちゃんが枯れてしまったのです😢

初心者の初めての挿し木であり、初めて発根に至り、そこから初めて夏を越え、秋に初めて落葉を迎え、そして初めての越冬という、盆栽作りにおいて初めて尽くしの1年弱を経験させてくれた初代ぼんちゃんでしたが、次年の葉が開き始めた春、なんらかの原因で上手くいきませんでした。

その後に1度、再び緑枝挿しにトライ したのですが7月に突入した時期で気温も高くなっており、上手く発根させることができず😥 これもまた大きな経験です。

 

このブログの主旨は

『桜の盆栽作りを挿し木から』

『挿し木に成功してから "盆栽" にするまでの過程』

といったその記録を初心者の挑戦として残すためなので、これからも引き続き挑戦と経験をしながらそれを記すべく、そして学びを積み重ねながら桜挿し木の "2代目ぼんちゃん" の誕生を望みたいと思います🙏