さくら挿し木のぼんちゃん ~盆栽道中記~

初めての桜の挿し木に挑戦し、発根を経て、「ぼんちゃん」と名付け、盆栽となるまでの道のりを随時記録。(現在2年目に突入)

若い枝には花が咲かない?


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桜も満開に向かってまっしぐらな時期ですが、

 

その中で、胴吹き枝 の開花が特に気になっています。

 

胴吹き枝 とは

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このように幹の下の方から生えてくるイレギュラーな枝ですが、

 

根から運ばれる栄養や水分を真っ先に奪う枝であり、

 

そして見栄えとしても変なところから生えているように見えたりするので

 

毎年丁寧に管理されている桜の木なら切り落とされる枝です。

 

忌み枝 ともいわれます。

 

放置されていない限りは、

生えては切られ、生えては切られ

を毎年繰り返すので、

 

つまりその年度に見る 胴吹き枝 は「その年度の春に生えてきた新しい枝」ということになるでしょう。

 

ぼんちゃんも元は 胴吹き枝 で、それを挿し木したものです。

 

胴吹き枝  は成長著しい若い枝であり、そして「切った方がいい」といわれる枝でもあるので、

 

挿し穂には持ってこいの枝 でもあります。

 

ぼんちゃんがそうした枝である以上は、やはり同じく他の 胴吹き枝 たちの様子が気になっていました。

 

割り箸サイズの細いぼんちゃんですが、

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挿し穂になっていなかったら


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夏にはこう太くなっていたはずで、

 

幹からの栄養を断たれ発根に力を注いでいた前者 と、立派な幹の根からしっかりと栄養を獲ていた後者 との差ですね。

 

夏場の2~3ヶ月ほどでこれだけの差をつけられた世間様の胴吹き枝は、この春に見事な開花をするのかどうか🤔

 

そう思いながら、通りすがりに見かける若き一年生の胴吹き枝たちをあちこちと見てみてみると、

 

あれ…、

 


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花芽がない…🙄

 

多くの若い枝が開かせようとしているのは葉芽ばかりで、

 

花がついている若い枝もそこそこありますが、


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枝先にちょこんと花がついている程度のものばかりで

 

先輩枝に比べると乏しさを感じる花付き様です。

 

ぼんちゃんに関しては、植物の育成が上手な母が

「まだ2~3年は花が付かんやろうねぇ」

と言っていたのもあり、

 

たしかに

世間の桜たちがすっかり葉を開かせた頃に

     ⇒  これから発根

・世間の桜たちがしっかり光合成をしている頃に

     ⇒  やっと葉を出し始める

 

という感じで後手後手になるのも緑枝挿しなので、花芽を付ける余裕がない年 になるのは納得でしたが、

 

挿し穂でない胴吹き枝も

初年は花が見込めない のでしょうか?🤔

 

そう思って調べてみたところ、

 

やはり 一年生枝に開花は見込めない ようです。

 

結局のところ、

花よりもまず「枝の成長」にエネルギーが費やされ、一段落ついたところで「花を咲かせるために」

となる模様で、

 

成長真っ盛りの枝は夏場のうちに花芽を付ける余力がない ということ。

 

必ずしも「花が咲かない」というわけではなく、

 

成長の差による個々の枝の状態や、環境によってはぽつりと花を付けたりもするでしょうけど。

 

逆の見方をすれば

 

「花を付けるためにかなりのエネルギーが必要」

 

とも言えますね。

 

次の春に花を咲かせるためには夏場が勝負どころ で、

 

特に鉢植えの場合 は、とりあえず水を与えて日に当てておけば勝手に花が咲くというわけにはいかないことも多々あるでしょう。

 

春から初夏にかけて

幹や枝の状態、葉の状態、これらをしっかり整えておく必要性や、必要に応じた適切な肥料やメネデールを与えるというのは、

 

次の開花に向けた大切な準備ということになりますね。