さくら挿し木のぼんちゃん ~盆栽道中記~

初めての桜の挿し木に挑戦し、発根を経て、「ぼんちゃん」と名付け、盆栽となるまでの道のりを随時記録。(現在2年目に突入)

土と相性が合っていない?

本題の前に、まずは基本的なお話を…。

 

『挿し床』

 

つまり 挿し木で使う土 のことですが、

 

ひとまず

挿し木に向いているもの と、そうでないもの があるというのは、挿し木界では基本的な知識。

 

・通気性、水捌けが良いもの

・無肥料のもの

・真新しいもの

 

これらが挿し床としての絶対条件といっても過言無し。

 

 

『通気性、水捌けが良いもの』

 

これが悪いと多くの植物が 根腐れ を起こしやすくなってしまうのですが、

 

根っこが無い挿し木の段階では

 

雑菌やカビに犯される原因になります。

 

 

雑菌やカビがどういった環境を好むかは言わずも知れたことで、

 

挿し床に通気性がなくいつもジメジメとしていたり、

 

水が溜まり続けたりすることを避ける必要があります。

 

また、

 

通気性が悪く古い水が残ってしまうと

 

挿し穂が酸欠にもなります。

 

 

 

根っこがない挿し穂の切り口は

 

いわば "傷口"。

 

そこから雑菌やカビが侵入しやすいので

 

挿し床には 市販されている『真新しい土』を使うのが健全です。

 

人間で考えれば

 

傷口の手当てに使い古したガーゼを使ったりしませんし、

 

傷口を洗うときは綺麗な水を使いますよね。

 

また、

 

肥料などは雑菌やカビの餌ともなるので、

 

『肥料無添加の土』を使います。

 

植物や盆栽の土には 腐葉土 もよく使われていますが、

 

腐葉土は、落ち葉を細菌などが分解した有機質なので挿し木には向いていません

 

 

こういった条件から、

 

挿し床としてよく使われているのが

 

赤玉土

鹿沼土

バーミキュライト

 

 

赤玉土 は、

古くから盆栽や園芸によく使われている土で弱酸性。保水性が高く、排水性もあるので挿し木にもよく使われ、粒が大きい種類のものほど通気性も高くなる。無機質なので雑菌などが繁殖しにくい。


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鹿沼土 は、

粒に細かい穴があり保水性が高く、粒表面の凹凸によって通気や排水性も高い。乾燥すると黄色っぽく、水分を含んでいるとオレンジ色っぽくなるため、土の乾きを視認しやすいのも特徴。酸性土なので、適さない植物には不向き(桜は可)。


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バーミキュライト は、

苦土蛭石(くどひるいし)を高温で加熱し膨張させて作られたもの。パイ生地のように層が重なっているので保水・排水・通気性に優れ、断熱性も高い。高温処理されているので無菌であることに加え、粒がとても軽いので種蒔きや挿し木などデリケートなものに適している。土壌改善にもよく使われる。


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よく、

 

赤玉土 5・鹿沼土 3・バーミキュライト 2」

 

のように、混合したものを挿し床として紹介されてもいます。

 

それぞれの特徴を生かしたバランスの良い挿し床作りということになりますが、

 

挿し木の段階では単一でも大きな問題ありません。

 

 

 

…と、まぁ

 

ここまでが挿し床の基本なのですが、

 

 

 

本題はここから☝️

 

 

 

わたくし、

 

しばらくはバーミキュライトのみを挿し床として使っていました。

 

初めての挿し木の際、園芸店に土を買いに行ったときに

 

この商品が目に止まったのです、

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ビギナーでも簡単・安心

   挿し芽・種まきの土

 

 

裏面には、


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このように挿し木の方法が載っていて、

 

さらに「発根しやすい」の文言。

 

 

初心者にとって頼もしい!

 

 

そう感じてこの土を使いました。

 

 

あ…、

 

誤解が生じないように先に言っておきますが、

 

この商品に問題があるわけではありません🤗

 

 

 

バーミキュライトを主体としたこの土をしばらく使っていたのですが、

 

なぜか、

 

 

挿し穂の、土に埋まっている部分だけが焦げ茶色に変色し、

 

発根に至りませんでした…🥺

 

 

あまりにも見事に

 

土に触れていた部分だけが変色していたので

 

挿し穂とバーミキュライトとの相性を疑い、

 

鹿沼土を使った挿し木も試してみたところ、

 

 

 

鹿沼土を使ったものだけは変色することなく

 

発根に成功…。

 

 

 

なぜだ…?🤔💦

 

 

 

実は自分と同じように

 

バーミキュライトは桜の挿し木に合わないのかも」

 

と書かれていた他者様のブログが1件だけありました。

 

その方もバーミキュライトでは失敗し

 

土を変えたもので発根に成功したのだそうで。

 

けれども、

 

けっしてバーミキュライトが挿し木に不向きということではなく、

 

バーミキュライトを使って成功させている人もたくさんいます。

 

 

 

なぜだろう…??🤔💦

 

 

 

バーミキュライト


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このパイ生地のように層重なりしているような粒で

 

フワフワとしています。

 

この層が潰れると粒の密度が高くなり、

 

排水性が悪くなります。

 

 

排水性が悪くなるということは

 

通気性も悪くなります。

 

 

植物は光合成だけでなく

 

根・茎・葉の全体で呼吸もしているので、

 

通気性が悪くなるということは

 

酸欠になります。

 

 

そういった意味で混合土では

 

バーミキュライトの割合が少なくされているのでしょう。

 

 

というわけで

 

「その土に触れていた部分が酸欠となって変色したのかな…」

 

と思ったのですが、

 

 

 

しかーーーし、

 

 

 

鹿沼土バーミキュライトの混合でも

 

やっぱり同じように変色し、失敗していたのです…😞💧

 

 

これはもう、

 

 

その挿し穂がバーミキュライトと合わなかった

 

 

と思うしか…。

 

 

人間でも

 

アレルギーだとか、肌質だとか、

 

個人差によって 合う・合わない があるじゃないですか🤔

 

植物にも個体差があるはず…。

 

 

今のところはまだ、

同じ親木から剪定した枝でしか挿し木の経験がないため、別の親木での枝ではどうなのか分かりませんが、

 

「何をどうやっても挿し木が成功しない」という場合、

 

もしそれが 同じ土 でのことであれば、

 

使う土を変えてみる というのも、1つの打開策となるかもしれません。