挿し木といえば
「発根促進剤を~」
とあちこちで見かける言葉ですが、その中でも ルートン と メネデール がよく紹介されています。
ルートンについてはこのブログの記事 (コチラ) でも書いたとおり、塗布し過ぎると致命的な失敗をする ので気をつけてください。
で、今回は メネデール について、特に 自作メネデール について書こうと思います。
メネデール のことはここで詳しく書く必要もないほどあちこちに情報が転がっており、植物育成の界隈ではかなり有名な商品ですね。植物の成長に必要な鉄を、植物がすぐに吸収しやすい状態にしたもの です。少し難しい言い方をすると、二価鉄イオン水溶液 をキレート化したもの。肥料ではありません。
「芽・根・出~る」といった商品名からしてどんな効果があるのかわかりやすいと思いますが、挿し木だけに限らず、植物に元気がないときや、成長を促進させたいときなどにも使わる優れもの です。
さて、このメネデールについてもっと詳しく調べようといろいろ検索をしてみると「自作メネデール」や「メネデールを作る」といった言葉が目に入ってきたりもします。メネデールの成分は二価鉄イオンということで、たとえば使い捨てカイロの中身とクエン酸があれば簡単に作れるので自分で作ってみようというものです。
一応、作り方としては、
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① ペットボトルに水(2L)・使い捨てカイロの中身(1袋分)・クエン酸(5g)を入れて蓋を閉め、振る。カイロは使用済みのものでOK。
② ペットボトルの蓋を半開きにして中のガスが抜けるようにし、冷暗所で丸1日放置。硫黄臭がしてくるので注意。
③ 丸1日が経過したらキッチンペーパーなどで濾過し、液体だけを取り出す。液体を入れた容器を黒のガムテープなどで完全遮光し保管する。
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これだけで完成です。作り方としてはとても簡単。
ただ、
作り方としては簡単ですが、濾過の工程が面倒です。メネデールを買った方が楽なような…
自作の欠点として、まず「本当に二価鉄イオン水溶性ができているのか不明」だということ。味見をするわけにはいきませんからね…💧
僕が作ったことがあるものは
こういう色に仕上がりました。
薄いエメラルドグリーンのような色…これは正解なのだろうか…?🙄
色々と調べてみると、
いちばん左上に当てはまってるのかな…?🤔 当てはまっていれば二価鉄イオンということで、一応合っているようです、あくまでも色としてはですが。
本当に二価鉄が出来ているのかそれを確実に調べるなら『二価鉄試験紙』を使うといいのでしょうが、価格が数千円します💧 メネデールを買った方が安い…
そしてこの自作、1ヶ月もしないうちに、
このように変色してきます。これは二価鉄が酸化して "三価鉄" になったもので、ひとことで言うと「錆びた鉄の水」です。
植物は自然界の地中に含まれる三価鉄を自力で二価鉄に変えて吸収しているそうで、それを考えるとこのまま使用しても害はないのでしょうが、植物にとってその作業はかなりのエネルギーを要し負担がかかります。
一方、本物のメネデールはというと、
植物が吸収しやすい状態(キレート化)を維持 したものということなので、おそらく二価鉄が三価鉄になってしまわないのでしょう。それによって根が無い挿し穂にも、元気がない植物にも負担をかけさせずしっかり与えることができるわけですね。「自作メネデール」とは言われているものの、あくまでも二価鉄イオン水溶液の自作であってメネデールそのものとは違うというわけです。
植物育成界の間では名の知れたメネデールですが、そのわりには意外と店で売られていないような気がしています。今でこそAmazonで購入していますが、僕が最初に自作を試みた理由はまず、近辺にある量販店の園芸コーナーでさえ手に入らなかったからでした。
そしてもう1つの理由は、当時は挿し木以外の植物は育てていなかったので、挿し木が失敗してしまうと大量に余ったメネデールの使い道がなくなってしまうからでした。もしかすると、同じように考えて自作を試みようとしている人もいるかもしれませんね。いや、そうならぬよう挿し木を成功させましょ!🤗
【自作メネデール】
●メリット
・庭の芝生など広範囲で大量に使用するならコスパが良い
●デメリット
・作り方は簡単だが手間がかかる
・1ヶ月しないうちに酸化し三価鉄となってしまう
・上手く二価鉄を自作できているか判らない(試験紙で確認するにもコストがかかる)