さくら挿し木のぼんちゃん ~盆栽道中記~

初めての桜の挿し木に挑戦し、発根を経て、「ぼんちゃん」と名付け、盆栽となるまでの道のりを随時記録。(現在2年目に突入)

自作メネデールについて語る

挿し木といえば

「発根促進剤を~」

とあちこちで見かける言葉ですが、その中でも ルートンメネデール がよく紹介されています。

ルートンについてはこのブログの記事 (コチラ) でも書いたとおり、塗布し過ぎると致命的な失敗をする ので気をつけてください。

で、今回は メネデール について、特に 自作メネデール について書こうと思います。


f:id:sakura-bonchan:20240626073943j:image

メネデール のことはここで詳しく書く必要もないほどあちこちに情報が転がっており、植物育成の界隈ではかなり有名な商品ですね。植物の成長に必要な鉄を、植物がすぐに吸収しやすい状態にしたもの です。少し難しい言い方をすると、二価鉄イオン水溶液 をキレート化したもの。肥料ではありません

 

「芽・根・出~る」といった商品名からしてどんな効果があるのかわかりやすいと思いますが、挿し木だけに限らず、植物に元気がないときや、成長を促進させたいときなどにも使わる優れもの です。

 

さて、このメネデールについてもっと詳しく調べようといろいろ検索をしてみると「自作メネデール」や「メネデールを作る」といった言葉が目に入ってきたりもします。メネデールの成分は二価鉄イオンということで、たとえば使い捨てカイロの中身とクエン酸があれば簡単に作れるので自分で作ってみようというものです。

 

一応、作り方としては、

--------------

ペットボトルに水(2L)・使い捨てカイロの中身(1袋分)・クエン酸(5g)を入れて蓋を閉め、振る。カイロは使用済みのものでOK。

ペットボトルの蓋を半開きにして中のガスが抜けるようにし、冷暗所で丸1日放置。硫黄臭がしてくるので注意。

丸1日が経過したらキッチンペーパーなどで濾過し、液体だけを取り出す。液体を入れた容器を黒のガムテープなどで完全遮光し保管する。

--------------

これだけで完成です。作り方としてはとても簡単。

 

ただ、

 

作り方としては簡単ですが、濾過の工程が面倒です。メネデールを買った方が楽なような…

 

自作の欠点として、まず「本当に二価鉄イオン水溶性ができているのか不明」だということ。味見をするわけにはいきませんからね…💧

僕が作ったことがあるものは

f:id:sakura-bonchan:20240623092649j:image

こういう色に仕上がりました。

薄いエメラルドグリーンのような色…これは正解なのだろうか…?🙄

色々と調べてみると、

f:id:sakura-bonchan:20240626074939j:image

いちばん左上に当てはまってるのかな…?🤔 当てはまっていれば二価鉄イオンということで、一応合っているようです、あくまでも色としてはですが。

本当に二価鉄が出来ているのかそれを確実に調べるなら『二価鉄試験紙』を使うといいのでしょうが、価格が数千円します💧 メネデールを買った方が安い…

 

そしてこの自作、1ヶ月もしないうちに、

f:id:sakura-bonchan:20240626092914j:image

このように変色してきます。これは二価鉄が酸化して "三価鉄" になったもので、ひとことで言うと「錆びた鉄の水」です。

植物は自然界の地中に含まれる三価鉄を自力で二価鉄に変えて吸収しているそうで、それを考えるとこのまま使用しても害はないのでしょうが、植物にとってその作業はかなりのエネルギーを要し負担がかかります。

 

一方、本物のメネデールはというと、

植物が吸収しやすい状態(キレート化)を維持 したものということなので、おそらく二価鉄が三価鉄になってしまわないのでしょう。それによって根が無い挿し穂にも、元気がない植物にも負担をかけさせずしっかり与えることができるわけですね。「自作メネデール」とは言われているものの、あくまでも二価鉄イオン水溶液の自作であってメネデールそのものとは違うというわけです。

 

植物育成界の間では名の知れたメネデールですが、そのわりには意外と店で売られていないような気がしています。今でこそAmazonで購入していますが、僕が最初に自作を試みた理由はまず、近辺にある量販店の園芸コーナーでさえ手に入らなかったからでした。

そしてもう1つの理由は、当時は挿し木以外の植物は育てていなかったので、挿し木が失敗してしまうと大量に余ったメネデールの使い道がなくなってしまうからでした。もしかすると、同じように考えて自作を試みようとしている人もいるかもしれませんね。いや、そうならぬよう挿し木を成功させましょ!🤗

 

【自作メネデール

●メリット

・庭の芝生など広範囲で大量に使用するならコスパが良い

 

●デメリット

・作り方は簡単だが手間がかかる

・1ヶ月しないうちに酸化し三価鉄となってしまう

・上手く二価鉄を自作できているか判らない(試験紙で確認するにもコストがかかる)

 

 

発根していました

本当は発根しても、安定するまで暫くそっとしておくのが良いのですが、なんとなく気になることがあったので掘り起こしてみました。

 

何が気になったかというと、新芽の動き具合ですね。3本の挿し穂の中で、1本はまぁ普通の動きかなと。しかしもう1本はなんだかとても遅く、というよりも途中で止まったかのような感じが。そして残りのもう1本は新芽が動く気配がなく、やや黒ずんできたようにも見える… そういうわけで発根の様子を覗いてみました。

 

f:id:sakura-bonchan:20240621070409j:image

こちらが、動きのとても遅いというか止まってしまったかもしれない新芽くんですが、掘り起こしてみると、

f:id:sakura-bonchan:20240621070539j:image

ん~…これは一体どういうことだ…?🤔

発根してはいるものの、その下の方が腐っている感じか…?

それにしても、表皮が裂けてそこから発根しているとは…初めて見たケースです🧐

茶色になっている部分を軽く触ってみると、軟化しているかと思いきやそんなことはなく、幹の内側に硬い芯があるような感じです。腐っているのか…?それともカルス化なのか…?

いやぁ…見た感じではやはり腐っている気がします🤔

 

発根しているのでこれを救いたい。

軟化していないのであればこのまま放置しておいても大丈夫なのでは…とも思いましたが、この異常な部位が拡がってしまうとせっかく生えてきた根もやられてしまうことの方が想像できてしまうので、この異変部位をカットして除去することにしました。吉となってくれればいいのですが…。

 

カット除去を済ませた後、このまま素焼き鉢に鉢替えです。

f:id:sakura-bonchan:20240621074513j:image

腐葉土を2割ほど混ぜるつもりでいたのですが、異変部位をカットした所は新たな傷口なので、挿し木時同様にカビや雑菌の侵入を防ぐべく、腐葉土の使用を見送りました。赤玉土鹿沼土のみの混合土です。もちろん肥料も厳禁でしょう。

 

次にこちらのコ、

f:id:sakura-bonchan:20240621092913j:image

徐々に新芽が動いています。発根の方は、

f:id:sakura-bonchan:20240621093009j:image

2本が生えてきました。思っていたよりもまだ短いですが、今のところ異変はありません。 発根したものの途中で成長が止まってしまうこともあるのでまだまだ安堵はできず、順調に伸びていってほしいものです。

掘り起こしたのでこのコも鉢替えをしました。根を傷つけてしまわないよう慎重に、腐葉土鹿沼土赤玉土の混合土へ植え替えです。

ある程度伸びてからの植え替えは挿し穂に負担がかかってしまうので、ある意味、まだこれから伸びるというタイミングだったのが救いだったかもしれません。

 

そして3本目のコ。

f:id:sakura-bonchan:20240621212822j:image

こちらは挿し穂が太めで、いちばん期待をしていましたが、

f:id:sakura-bonchan:20240621212906j:image

新芽の動きは無し。もはや黒ずんでしまっているようで、掘り起こしてみると、

f:id:sakura-bonchan:20240621213052j:image

あらら…💧

3週間が経過しても葉の萎えはまったく見られず、むしろ綺麗でしっかりとしていたのですが、これはもう発根の見込みは無しですね…。

 

思い当たるこれといった失敗の原因はないのですが、少々気にはなっていたことを挙げるとすると、まず、綺麗な挿し穂ではなかったということ。葉の付け根がやや黒ずんでいたり、穂に傷痕があったり。

そして、今回は1本の剪定枝で3本の挿し穂を作ったのですが、この失敗となってしまったコは枝元側だったので 太め・固め だった挿し穂。これは切り口をカットする際にやや苦労するんですよね。カッターナイフでスパッと切り口を作るべきところを固くてスパッといけなかったり。

さらにもう1つ気になっていたことは、このコを挿し木していたペットボトル鉢のその排水に勢いがなかったこと。これは排水のために開けていた4つの穴が小さすぎたことによるものですが、大きめに開けていた他の鉢とは違って、水を与えたときのその排水が ジョロジョロジョロ… ではなく、チロッ…チロッ…チロッ…という感じでしたので、排水が済むまでにそこそこ時間がかかっていました。その何が気になっていたかというと、土の中の鮮度 ですね。

鉢植えの植物の場合、水やりというのは単に水を与えるためだけでなく、土中の古い水やガスを排出させ新鮮な水と空気を取り入れるため でもあります。物理的に考えると、チロッ…チロッ…な排水の勢いでは新鮮な空気を取り込む力も弱くなるのではないかと。挿し穂も切り口で呼吸しているので、新鮮な空気が入ってこないということは酸欠になります。

また、排水が弱いと雑菌が留まり繁殖してしまう環境にもなりやすい でしょう。酸欠になると葉っぱや挿し穂全体が萎えてしまうでしょうから、その様子は見られず挿し穂の下の方が黒ずんでしまった今回は雑菌の侵入によるものかもしれません。

 

いずれにしても、3本のうちの2本が発根に至りました。初めて挑戦したときは14本目にしてやっと成功できたという結果でしたから、それに比べればかなりの好成績です✨

しかし、しっかりと新葉が開いて根もしっかり伸びてくれるまではまだまだ安堵はできません💦

 

 

 

 

 

 

 

 

桜 "休眠挿し" の結果と "緑枝挿し"

2月末から初めての休眠挿しに挑戦していました。

 

このブログにも書いた通り、開始から40日ほど経過したときまでは順調、というか良くも悪くも変化のない様子でしたが、

 

50日近くが経とうとした頃、

新芽が脱水していってるかのような様子を見せ始め、そして数日後には

f:id:sakura-bonchan:20240614092616j:image

完全に枯れ…

成功しなかった原因をそれなりに考えてはみたものの、特に思い当たる節はなく、逆の見方をすれば、根がない状態で50日間も生き耐えてくれていたわけなので、ある意味それなりに上手くいっていたのではとも思っています🤔 生き延びたその先に発根はありますからね。

 

休眠挿し は 緑枝挿しと比較して成功率が低いとはよく聞きます。木皮化した挿し穂(茶色になった枝)は発根率が低かったり、暖かい時期に比べると植物の動きがまだそれほど活発ではないといったようなことが、休眠挿しの成功率が低い理由だったりもするかもしれません。

 

他のブロガーさんの記事を読んでみても「20本中、5~6本が成功」という結果だったりもするようで、たしかに高確率とは言えない気がします。今回の自分の休眠挿しでは4本でしか挑戦していなかったので、確率として成功に至らなかったと言えるかもしれません。

 

管理はとても楽でした。湿度や温度、水やりなど、緑枝挿しほど気を配る必要がありません。そのかわり面白みには欠けると思います。はやり緑枝挿しのように葉っぱがついているものに水を与える方が世話をしている感が増しますし、手間が掛かるぶんだけ箔も付きます、個人的にですけどね。  しかも発根までに2ヶ月ほどを要するというのは長い…💧

 

そういうわけで、

 

現在、緑枝挿し 中です🌱f:id:sakura-bonchan:20240614210635j:image

5月30日から開始し、現在17日が経過しました。

 

自身の経験上、緑枝挿しでは

『10日~14日目の 関門 』を感じています。

 

緑枝挿しのやり方の根本的なところが間違っている と10日~14日が経過する頃までには葉が萎え、そして腐ってしまいます。

挿し木に適していない土を使っていたり、まだ成長途中の新葉が付いている挿し穂だったり、湿度管理や葉のカットが甘いがゆえに挿し穂から水分が多く蒸散してしまったり、気温30℃超えとなるような環境での挿し木であったりなどなど、こういったような基本的な点で落ち度があると関門突破は難しいでしょう。

ルートンを塗布しすぎて切り口を塞いでしまうのも致命的です⚠️ ルートンは極々少量を軽くまぶすだけ(詳しくはコチラ)

 

そんな関門を突破できた今回の緑枝挿したちの現在の状態は、


f:id:sakura-bonchan:20240617000436j:imagef:id:sakura-bonchan:20240617000549j:image

いままでにないほど良好✨

これまでは発根に至ったものでも、ある程度は葉の一部が茶枯れしたり少々萎えたりはしていたのですが、今回はそんな様子がほとんど見られず自分でも驚いているほど良好な17日目です😲

そんな中で早々と蜜腺が黒くなってしまっている子もいて「厳しいかなぁ…?」と思わされていたりもしますが、

f:id:sakura-bonchan:20240616235853j:image
その蜜腺の部分以外は良好でその子もまだまだ成功への可能性は充分にあります🙂

 

そしてどうやら新芽も動き始めた模様🌱

f:id:sakura-bonchan:20240616234617j:image

ということは、順調にいっていれば発根も始まっているでしょう✨ 3週間が経過する頃にはこのペットボトル鉢の底から根が見えるほどまで伸びていると思います。

とはいえ、発根してすぐに根伸びが止まって失敗に至ったケースもあるので安堵するのは早急ですね。

 

 

 

休眠挿しから40日が経過

休眠挿し開始から40日、未だに発根の兆しは確認できずです。

開葉のスタンバイをしている新芽の様子からすると、

f:id:sakura-bonchan:20240328125525j:image

挿し穂がダメになっている感はまだないので希望を持ち続けています。

やはり休眠挿しは発根まで日数がかかるようですね、管理はとても楽ですが。緑枝挿しだったらすっかり根が伸びているか、挿し穂が枯れてしまっているかどちらかの頃です。

 

今にも葉が開きそうなほど芽がぶりぶりと太っています。

f:id:sakura-bonchan:20240328125600j:image

ただ、問題はここからですね。

発根よりも先に葉が開きだしてしまうと、エネルギーがそちらに消費されてしまうことになるので発根が厳しくなります💧 優先的に発根にエネルギーを使ってもらいたいところ。

 

🌱「葉を開かせたいけど、あっ、根っこがない!まずは根を出さなきゃ!😯」

 

となってくれればいいんですけどね…

 

🌱「根っこないけど、ま、いっか。葉っぱ開かしちゃえ!」では困ります。

 

こうやってジョーク的に書いていますが、植物ってのは意外とそういったところもちゃんとしているというか、うまくできてるなぁと思わされることも多々あって、

たとえば、1本の枝を切るとそこから2本の新しい枝が生えてくるだとか、障害物があるとそれを避けるように伸びるだとか。賢く生きてます😲

そういったことを思うと「葉を開かせるにはまず発根を」というのもありそうな気がするんですけどね…🤔 葉が先に開いてしまい発根に至らなかったという例もそれなりにあるようなので、そうならないように期待するばかりです🙏

 

挿し木のテクニックの1つとして「水やりを徐々に減らしていく」という方法を見かけます。"挿し穂に水不足の危機感を与えることによって発根を促す" という理屈によるものなのですが、科学的に実証されているかどうかは定かではありません🧐

先述した通り植物は賢く、そして生きようとしているので、それを考えるとこういった方法も「なるほど」と思いはするのですが、水やりを減らしつつ生かすというのは経験豊富な上級者でないとそのさじ加減がなかなか難しい方法のようにも感じます。今の自分の経験値では水やりが足らなさすぎて枯らしてしまいそう💦 せめて「序盤は1日2回の水やりで、中盤頃から1日1回に」程度のことは実戦していますが、それですら不安に思っています😅

 

最後に、

モミジの秋丸くんの様子ですが、

f:id:sakura-bonchan:20240331051120j:image

葉が開き始め賑やかになってきました🌿

しかし、

f:id:sakura-bonchan:20240331051206j:image

片側の枝だけですけどね。

 

どゆこと…?😏

 

東京の今年の桜の開花が遅めのようですね。寒暖差が極端に激しい日々ですし、冬もそれほど厳しい寒さだったとは感じなかったので、休眠打破といったその辺のところが影響しているのかもしれませんね🌸

初代ぼんちゃんとの盆栽道中記(まとめ)

〈初代 さくら挿し木の ぼんちゃん〉

まったく無知だったにもかかわらず「挿し木で桜の盆栽を作ってみよう!」と思い立ち、その春、3度の失敗をしつつ勉強を重ね、湿度管理やルートンの塗り方などを見直し、そして2022年5月12日から4度目の挑戦。

 

途中、これまで使用していたバーミキュライト混合土と挿し穂との相性にも疑念を強く感じ、挿し木の期間中に土替えをするというタブーを決行。
f:id:sakura-bonchan:20240322070518j:image f:id:sakura-bonchan:20240322071007j:image 

 

4度目の挿し木から24日目、ついに発根を確認できた!しかしその根が水捌け穴を塞ぎだしたため、今後の根腐れ等々を懸念し、植え替えをすべきか悩む。

f:id:sakura-bonchan:20240322072128j:image f:id:sakura-bonchan:20240322072009j:image

発根したばかりなので根の損傷や苗へのダメージを回避したい。そのため植え替えを避け鉢のみを替える方法を考える。

f:id:sakura-bonchan:20240322072342j:image f:id:sakura-bonchan:20240322072435j:image f:id:sakura-bonchan:20240322072507j:image f:id:sakura-bonchan:20240322072546j:image

これらのトラブルを乗り越え、新葉がすくすくと開きだす。

f:id:sakura-bonchan:20240322073819j:image f:id:sakura-bonchan:20240322073919j:image f:id:sakura-bonchan:20240322074004j:image

 

そして初代ぼんちゃんのスタイルが完成🌿

f:id:sakura-bonchan:20240322074115j:image

 

それぞれの葉っぱの根元に付いていた変なもの、それが 蜜腺 というものだと初めて知り、桜の種類によってその場所が違うことも知り、

f:id:sakura-bonchan:20240322074230j:image

 

実は夏場にはもうすでに来年の新芽が作られていたことも知った。

f:id:sakura-bonchan:20240322074806j:image

 

夏の終わり頃、葉っぱに茶色い斑点が現れ葉に穴が開くようになり、感染菌による せん孔褐斑病 というものを知った。

f:id:sakura-bonchan:20240322092346j:image f:id:sakura-bonchan:20240322092427j:image

秋になり、屋外の桜たちがすっかり葉の色を変えた頃、ぼんちゃんはまだまだ緑だった。何をきっかけにして、そしてどういうプロセスで紅葉し落葉していくのかを勉強した。晩秋になってぼんちゃんもやっと黄色の葉に。

f:id:sakura-bonchan:20240322093127j:image

 

1枚、また1枚と落葉していく。手のひらを広げたような初代ぼんちゃんのあのスタイルも失われていき、

f:id:sakura-bonchan:20240322093202j:image

そしてとうとう冬の姿に。その姿は割り箸と同じサイズだった😁 このときすでに 休眠中 💤
f:id:sakura-bonchan:20240322093608j:image

 

小さな鉢から一回り大きな鉢に植え替え。根の無かった挿し穂がここまで育ってくれた。

f:id:sakura-bonchan:20240324071108j:image f:id:sakura-bonchan:20240324071325j:image

 

休眠打破 についてを学び、これまで屋内でLED育ちだったぼんちゃんを冬の屋外の寒さに。

f:id:sakura-bonchan:20240322134419j:image

 

水は足りているのか… それとも足りていないのか… 葉っぱで様子を伺えないそんな不安な期間が4ヶ月。

f:id:sakura-bonchan:20240324071535j:image

 

4月7日、世間の桜がすっかり葉桜になろうとしていた頃、遅れ遅れでやっと芽が動きだす✨

f:id:sakura-bonchan:20240324072029j:image f:id:sakura-bonchan:20240324072209j:image

このまままっしぐらに葉を開かせるのかと思いきや、その状態で一旦スタンバイ。

f:id:sakura-bonchan:20240324072450j:image

 

およそ1週間後、ついに葉が開き出す🌱

f:id:sakura-bonchan:20240324075040j:image

 

これまでののんびりした動きとはうって変わって、1日1日どんどん大きく。

f:id:sakura-bonchan:20240324075113j:image f:id:sakura-bonchan:20240324075139j:image f:id:sakura-bonchan:20240324075209j:image

しかし、葉っぱの様子がどうもおかしい…

f:id:sakura-bonchan:20240324075354j:image

 

途中で成長が止まり、貧弱な様子で、そして焼けたような茶色が広がっていく…

f:id:sakura-bonchan:20240324075257j:image

 

後に続き開いている新葉も同じ症状で、次第に枯れていき…

f:id:sakura-bonchan:20240324092021j:image f:id:sakura-bonchan:20240324092053j:image

もう1つの新芽からは葉が出ることなく…

f:id:sakura-bonchan:20240324092247j:image

 

「枯れ」を示す幹のシワも表れてしまい…

そして、

 

初代ぼんちゃんとの盆栽道中記が幕を閉じる…😞

 

さまざまなことが初めてばかりで、

そのおかげで、これまで気にもならなかった『桜』のことや植物の生態をたくさん勉強した初代ぼんちゃんとの1年。

 

盆栽屋のオジサン曰く、

「盆栽もいろいろなことを試したり失敗したりして経験を積み重ねてくもんよ」

 

その経験を共にしてくれた初代ぼんちゃんに

 

感 謝 🥺🙏

 

休眠挿しで二代目ぼんちゃんを作る

これまでは緑枝挿しによる挿し木でしか挑戦してきませんでしたが、今回は初めての 休眠挿し でトライです🌱

f:id:sakura-bonchan:20240319072153j:image

 

基本的な挿し木の方法はどちらも同じなのですが、それでも 時期が違うので挿し穂の状態も違います

 

〈緑枝挿し〉6月頃

・葉がある

・気温が暖かく植物の動きが活発

・カビや雑菌が繁殖しやすい

・開花後であり開葉したばかりで発根のためのエネルギーが不足している可能性

 

〈休眠挿し〉2月頃

・葉がない

・気温が低く動きがまだ鈍い

・春に向けてのエネルギーがしっかり蓄えられている

 

両者のメリット・デメリットについては 前々回の記事 で書きましたが、発根率としては「緑枝挿しの方が高い」というのをよく見かけます。

 

今回は、2本の枝から5本の挿し穂を採りました。

そのうちの3本を鹿沼土の挿し床に。そして発根の見込みが低いであろう枝先 (枝が細いためエネルギーの蓄積が乏しい可能性) の2本は捨ててしまうのも気が引けるので水挿しに。

f:id:sakura-bonchan:20240322060151j:imagef:id:sakura-bonchan:20240322060222j:imagef:id:sakura-bonchan:20240322060249j:imagef:id:sakura-bonchan:20240322060343j:image

 

この水挿しの子が発根してくれるかどうか…という点はさておき、土に挿すのとは違って発根の様子を伺うことができるので、この子が発根を始めたら他の子たちもそろそろかなという指標にしています。

 

緑枝挿しは葉っぱから水分が蒸散してしまうのでそれをできる限り防ぐ管理が大変ですが、葉がない休眠挿しはそこんところがとても楽です✨

 

挿し木をする前に穂を冷蔵庫に入れ 休眠打破 させる方法がありますが、今回は2月19日に枝を剪定したのですでに休眠から目覚めているだろうと思い冷蔵はしませんでした。12月や1月頃の枝であれば冷蔵した方がいいかもしれません。

 

休眠挿しを開始してちょうど1ヶ月後の様子 (3月19日)

f:id:sakura-bonchan:20240320060535j:image

芽が動き、開葉スタンバイの状態になりました。挿し穂がダメになっていない証✨ 緑枝挿しだったら2週間を生き延びさせるだけでも一苦労なので、これだけでも休眠挿しの方が管理が楽だと言いきれるように思います🤔

 

ただし、まだ発根には至っていません。水挿し君の切り口をじっくり見ても根っこは見られません。

f:id:sakura-bonchan:20240320093019j:image

緑枝挿しでは3週間ほどでしっかり発根していましたが、休眠挿しではやはり遅いようです。

f:id:sakura-bonchan:20240320093158j:image

切り口の周りに カルス (植物の傷口にできる細胞の塊) が出来てきていますね。

この カルスと発根の関係 について前々からいろいろと調べ続けてきましたが、カルス形成の後に発根するという人もいれば、カルスと発根は直接的な関係がないという人もいますし、カルスから発根したという人もいれば、カルスからは発根しないという人もいたりで、個人の知識や大学教授の論文、理化学研究所の発表も含めて様々な考察や意見があり、結局よくわかりません💧

カルスが吸水を手助けしてくれるという話もありますし、増殖し過ぎると発根の妨げになるという話もあります。

 

謎です…🙄

 

ひとまずハッキリと言えることは、

「1ヶ月が経過した今でも挿し穂は生きている」

ということでしょう…🤔 そうでなければ芽の動きやカルス形成はありませんからね。

 

さて、なぜ今になって休眠挿しにトライしたのか、

それはこの記事のタイトルにもあるとおり「2代目 桜挿し木のぼんちゃんを作るため」です。

ここにきてご報告となりますが、悲しくもこのブログの主役であった先代のぼんちゃんが枯れてしまったのです😢

初心者の初めての挿し木であり、初めて発根に至り、そこから初めて夏を越え、秋に初めて落葉を迎え、そして初めての越冬という、盆栽作りにおいて初めて尽くしの1年弱を経験させてくれた初代ぼんちゃんでしたが、次年の葉が開き始めた春、なんらかの原因で上手くいきませんでした。

その後に1度、再び緑枝挿しにトライ したのですが7月に突入した時期で気温も高くなっており、上手く発根させることができず😥 これもまた大きな経験です。

 

このブログの主旨は

『桜の盆栽作りを挿し木から』

『挿し木に成功してから "盆栽" にするまでの過程』

といったその記録を初心者の挑戦として残すためなので、これからも引き続き挑戦と経験をしながらそれを記すべく、そして学びを積み重ねながら桜挿し木の "2代目ぼんちゃん" の誕生を望みたいと思います🙏

 

紅葉と赤松を お迎え🌱

「桜の盆栽を作ってみよう!」と思ったその日から桜一筋で挑戦してきましたが、とうとう桜以外にも手をつけてしまいました😅

 

🍁モミジ と、

f:id:sakura-bonchan:20240312091512j:image

 

🌲赤松 です。

f:id:sakura-bonchan:20240312071642j:image

 

以前、このブログで書いた 盆栽屋のオジサン のところで購入。

どちらも3年生だそうです。

 

まずは モミジ 、

 

モミジのミニ盆栽には前々から興味がありましたが、桜と同様に「挿し木で作ってみたい」と思っていたので知識を備えるべく様子見といった状態でした。

 

が、


f:id:sakura-bonchan:20240312091457j:image

この樹形に一目惚れ☺️

前年の落ち葉が残っていましたが、小さくてカワイイ♪
f:id:sakura-bonchan:20240312092051j:image

秋のイメージが強いモミジも、3月頃から緑の葉が出てきます。

 

紅里秋丸 (こうりあきまる)』と命名しました🤗

通称、秋丸くん です♪

 

買ったときからすでに (針金で枝を曲げ樹形を作ること) がつけてある秋丸くん。大きさも含めてこの樹形のままで満足なのですが、強いて言うなら、もう少しだけ太らせた方がもっと良い感じになるであろうと思い、


f:id:sakura-bonchan:20240312092958j:image

しばらくザルで育ててみることにしました。

 

盆栽の成長速度として

1位- 畑

2位- ザル

3位- 大きな鉢

といった順でよく言われています。

 

根の成長を遮るものがなくそして地熱がある は圧倒的に成長しますが、その畑を用意するのは簡単ではありません。そこで ザル の登場です✨

 

ザル植えの場合、伸びた根は網目から出てしまいます。そうなった根は「これ以上に伸ばしても水にありつけない」と判断し伸びが止まります。すると幹元から新たな根が伸び始め、それがまた網目から出て止まり…と、そのように繰り返していくうちに幹元からたくさんの根が生え、必然的に幹が太くなる という仕組みです。

鉢植えの場合は、伸びて鉢の壁に当たった根は方向を変えて伸び続け、鉢の中をぐるぐると巡ります。

 

また、ザルは全体が網目になっているので排水性・通気性がバツグンです。土の乾きが早くなるので水やりの頻度が高くなります。吸水と呼吸のサイクルが増えるので植物の代謝が高くなり、成長を促進させます

f:id:sakura-bonchan:20240312161013j:image

とまあ、ザル植えについて書きましたが自身でやるのは初めてで(笑)、この1年でどのぐらい太ってくれるのか楽しみなモミジの秋丸くんです。

 

そして 赤松

f:id:sakura-bonchan:20240316082625j:image

 

松といえば盆栽の代表格といったところでしょうが、自分が育ててみるのは「まぁ、いつかそのうち…」程度でいました😅 まずはやっぱり "桜を" だったので。しかしこの赤松にもなんだか一目惚れ。小さな松はそれはそれで可愛いです。

 

そんな程度で買ってきたものですから、この松をこれからどのように育て上げていこうかというのは全く描いていませんでした🙄💦 赤松の生態すらほとんど無知です…。このままでも可愛らしいし、特にアレコレと細工はせず盆栽鉢に移そうかとも思いましたが、さすがにそれでは味気が無さすぎるだろうということで、

 

少しだけでも太らせるべく二回りほど大きい素焼き鉢に移し、そして針金で曲を付けてみました。

f:id:sakura-bonchan:20240318221728j:image

人生で初めての樹形作りですが、どうですかね…?🤔

 

盆栽の 針金掛け も、左巻きか右巻きか、どこを巻くかどのように巻くか、巻かずに掛けるかどの方法を使うかなどなど…、理にかなった技術や方法が様々で奥が深いです。しかし人生初の針金掛け、ひとまず基本的なことと注意すべきことを勉強してのトライ。幹を折ってしまわないかとドキドキしながらなんとか巻き終え、針金を指の腹で少しずつ押しながら曲を付けました。「思ったよりも巻くのが難しかった」というのが感想です😥

 

名前は『ヒョロ松くん(仮)』😅

 

1年以上も前から早々と盆栽鉢を準備してあるのですが、けっきょくまだ誰もそれらの鉢に入らずじまいです。

f:id:sakura-bonchan:20240318224930j:image

 

来年の今頃、モミジの秋丸くんには入ってもらいたいな~♪

f:id:sakura-bonchan:20240318225041j:image

 

それにしても、

盆栽には "ジジ臭い" というイメージがありますが、盆栽屋で苗を眺めていると老若男女のけっこうな人数が立ち寄ってくるんですよね。そして近年は世界で盆栽人気が高まっているのだそう。

日本文化の魅力という以前にやっぱり植物の魅力に惹き付けられるのでしょうかね🤗